
虫歯でないようだけど歯がしみる、歯ブラシをすると歯の根元がピリッとする、知覚過敏の疑いがあります。
歯周病や加齢により歯肉が下がったり、間違った方法での歯みがき、歯ぎしり等によって歯が削れてしまうことがあります。すると、冷たいものや熱いものを口に含んだ時や歯みがきの時の刺激が歯の神経に伝わって、しみるような一時的な痛みを感じます。
これを「知覚過敏(ちかくかびん)」といいます。
歯の表面の硬いエナメル質の下には、象牙質(ぞうげしつ)があります。象牙質の中には、象牙細管という細い管が、歯の神経(歯髄)に向かって通っています。
歯肉が下がったり歯が削れると、象牙細管が歯の表面に出てしまうとがあります。冷たいもの、熱いものなどの外からの刺激はこの管を通じて歯の神経に伝わり、神経はそれらの刺激を痛みとして脳に伝えます。
虫歯でなくとも、象牙質が直接刺激にさらされる状態になれば、歯はしみて痛みを感じます。
知覚過敏の原因で多いのが、間違った歯みがき方法、歯周病、歯ぎしり、酸蝕症(さんしょくしょう)によるものですが、様々な原因によって症状が引きおこされます。
■間違った方法での歯みがき(力の入れすぎ、動かしすぎなど)
■不十分な歯みがき
■歯みがき粉の使いすぎ
■歯ぎしり
■歯周病による歯肉の退縮
■硬すぎる歯ブラシ
■加齢による歯肉の退縮
■虫歯、歯周病の治療後
■唾液の減少(ドライマウス)
■かみ合わせ
■がん治療(抗がん剤の投与、顔から首にかけての放射線治療)
■酸味食品の多量摂取(酸蝕症)
■歯の亀裂、破折
■誤った食生活 など
知覚過敏の治療法には、知覚過敏の進度によって薬を使ったり、詰め物を詰めたり、虫歯や歯周病を治療するといった方法があります。刺激が伝わる原因を考え、根本から治療する必要があります。
知覚過敏対応の歯磨き粉で歯磨きをします。フッ素入りの歯磨き粉でも効果があります。
軽症の場合はこれだけでも効果があります。
歯の象牙質にセメント類を塗って刺激が伝わりにくいようにします。
歯磨き治療を合わせると効果が表れます。
歯の表面が削れていたり、損傷が大きい場合は詰め物を詰めて刺激が伝わるのを防ぎます。
重症の場合は歯の神経を抜きます。歯の神経を抜くと歯はもろくなってしまうため、最終手段として用いられます。